最近の報告では、2〜3歳齢以上の犬・猫の約80%に歯周病が見られると言われています。
また、歯が健康な犬や猫の寿命は、そうでない犬や猫と比べると2年くらい長くなるとの
報告もあります。
犬や猫の2年は人間でいうと約8〜10年にもなりますから、歯の健康管理はとても重要です。
皆さんも自分の愛するワンちゃんやネコちゃんと、少しでも長く一緒にいられるように、
歯の健康を保ちましょう。
歯の病気、歯周病とはどういうものなのでしょう。
歯周病とは
口の中の病気は、歯だけではなく、歯石に含まれる細菌が増えるために、 歯を支える歯肉や
骨が炎症を起こす歯周病【歯肉炎、歯槽膿漏(しそうのうろう)等】もあります。
これらの病気にかかると、強い口臭がしたり、食欲がなくなるばかりではなく口の中の細菌が
傷ついた歯肉などから血管に入り、 心臓や肝臓、腎臓などに重い病気を引き起こす事があります。
予防
定期的な歯の手入れ、バランスの良い食事の他、ストレスのない快適な生活が
予防になります。
歯みがきのしつけなどは小さいうちから習慣にした方がよいでしょう。
日頃から、口を開けたり歯に触ったりして歯の手入れに抵抗感をなくして
おくことです。おとなになってからでも挑戦する価値は十分にあります。
また、歯みがき以外にも、食後に水を与えたり、濡らしたガーゼなどを指に
巻いて歯や歯肉を拭く こと(※図@)もある程度予防効果が期待できますが、
どの方法もこれだけで完全に予防できるというものではありません。
当院ではペットの性格や症状にあった予防方法の指導をしております。
※図@
手入れには
市販されている犬用の歯ブラシ(人間用の物でも良い。)
病院で販売している『犬用・猫用のデンタルキット』※図A(ビルバック社)
歯磨きをするのが難しい場合などには、 液体歯磨き『マキシガード』
※図B(共立製薬)が あります。
猫の口の開け方
頭部の後ろから親指と人差し指で上顎の
犬歯のところをつかみ、片方の手で
下顎を押す。
※図A
※図B濡らしたガーゼを指に巻き、歯や歯茎(はぐき)を
マッサージするだけでも効果あり!
病院での治療
すでに歯石がついていたり、歯周病にかかっていると
気づいたら、できるだけ早く治療を受けましょう。
この種の治療はほとんどの場合、痛みを避けるため
短時間、全身麻酔をかけてから、歯石を取ったり、
歯周病で使えなくなった歯を抜いたりして、歯の周囲の
手当てをします。
口は健康の窓口です。治療の後も再発に注意し、
予防を心がけてください。
歯周病の疑いがあったらすぐ病院へ!!
チェックする項目 □ 口臭の有無。 □ 食欲はあるようなのだが、物を食べようとすると暴れたり頭を振ったりする。 □ 口の周囲が、いつも唾液等で濡れている。 □ 涎(よだれ)が多い。 □ 頭を片方に傾けて物を食べている。 □ 床に口を擦りつける。食べている最中に突然鳴く。
*参考文献 VC Forumテキスト他
大切
治療の後に、歯の手入れを継続する事!
それが長寿の秘訣です。