ウサギを知ろう
 ペットとして飼育されているウサギは、ほとんどが
ウサギ目ウサギ科ウサギ亜科アナウサギ類アナウサギ属(ヨーロッパアナウサギ)に分類されています。
(上の前歯(切歯)の裏側に小さな切歯が隠れているのがこの種類の特徴)

 アナウサギというくらいだから、ウサギの生活には穴(巣になるような、隠れたり、逃げたりする場所)が必要です。
ペットとして飼育する場合は、木で出来た巣箱を用意してあげるとよいでしょう。
その穴で、ウサギたちはゆっくり休んだり、食糞(後述@)したり、
子どもを育てたりするのです。
ウサギのケージに穴(巣箱)がないのは・・・?想像してみよう
それは、自分が毎日、学校の体育館でお布団敷いて寝たりするのと似ているかも。
お風呂も、トイレも、ご飯もあって、家族が一緒で、扉に鍵がかかっていても、
それがずっと毎日では・・・たぶんくつろがないよね。
アナウサギには巣箱(図@)が必要。

(図@)
 ウサギは完全草食動物で夜行性です。
草を食べて、土や草の上に暮し、穴で休みます。
一生涯伸び続ける歯は、草を食べる事によって上下の歯が
うまく噛み合って磨耗しあう為に、適切な長さが保たれれます。
 ペレット(ラビットフード)と根菜(にんじんなど)が主食だと、
それらはパキンとかじると切り取れるし、割れるから、歯の磨耗が充分に
出来ないので、徐々に噛み合わせが悪くなる場合が少なくありません。
干草(乾草)をたくさん食べてさせていれば、歯が健康に磨り減って、体調が整うことでしょう。
体調を悪くして動物病院へ行かなくてもすみます。
ウサギにとって一番幸せな暮し方は、飼い主さんの想像力と思いやりに
大きく左右されます。
ペレット



先ず、食餌について
ペレットは生後4ヶ月までは体重あたり10%(例えば1Kgの体重の子なら100g)上げてもいいのだけど、
それ以降は1.5%から3%で充分。(30g未満で充分。)
ペレットばかりじゃ歯の磨耗に不足だから、他には、干草を充分与えて、床にも敷きましょう。
干草を充分というのは、結構たくさんです。(図A)

          (図A)

理想的な食事

 充分の水を、床がぬれないように与えることと、
副食として、にんじん、りんご、小松菜、青梗菜、カブの葉っぱ、
大根の葉っぱ汚染されていない場所に生えている野草
(たんぽぽ、なずな、はこべ、シロツメクサ、オオバコ)を、
よく洗って、ペーパータオルで水分を取ってから与えましょう。
 
 りんご   たんぽぽ  チンゲン菜
  
ニンジン カブの葉っぱ 小松菜
 市販のペレットについて、現在では大変多くの種類がありますが、中にはウサギの健康への
配慮が全く感じられない餌(ペレット、おやつ、補助食品など)、嗜好性さえよければ、売れれば
よいというだけの粗悪なものも売られています。もちろん良質な製品もありますから、
何がそのウサギの為に良いものなのかを充分検討して、価格に惑わされず、より良いペレットを
購入してください。
 実験動物用のペレットは、嗜好性や給餌の効率、硬さが考慮されており、
繁殖用、一般飼育用、体重減量用など、栄養成分が若干異なるので、用途に応じて使い分ける事が可能です。
動物病院では、ウサギの成長過程に応じたペレットを取り寄せる事が出来ます。
自分のウサギに何を与えたらよいのか考え中の方は、
動物病院に一度お電話で相談してみる事をお勧めします。
(体調に合わせて、腎臓病や手術からの回復期を念頭に置いたフードもあります。)

 おやつ(小麦粉が原料のビスケットや、クッキーなど)は必要ありません。
自然の中に暮らすウサギが、高い所に穂をつける小麦を餌にすることは決してありません。
小麦、麦由来の粉で出来ているおやつが、ウサギ用に売られていても、購入はしないでください。
それらおやつのせいで腸性毒血症になって、死んでしまう事があります。
ウサギさんは、飼い主が与えたものを、喜んで食べてしまう傾向にありますが、
うさぎのおやつは、りんごやにんじんで充分なのです。
*小麦粉が原料の
 ビスケットやクッキーなどは
 与えない。
  



次に、住まいについて
成長した後、充分横たわる事のできる広さと、座った時に頭のつっかえない高さがラビットケージに必要です。(図B)
トイレと巣箱と、えさ入れと、水入れも中に置くのですから、出来れば大きめのケージを用意してあげましょう。
本来、ウサギは土と草の上で暮しています。
犬や猫のように、足先の地面に接する部分に肉球がないのです。
ですから、地面が硬いと、体重がかかる足底に皮膚炎を起こすことがあります。
自然の中でウサギが暮す環境に、飼育ケージを近づけてあげてください。
(図B)
寒暖差:5度以内
静かな環境
適した床材



    
上から見た図
最適な飼育環境温度は15−20℃です。                                 
夏暑いからといって、エアコンの部屋ですごすのは悪くありませんが、環境の温度差が1日のうちで5℃以上に
なったり、冬寒すぎて低体温になったりすると、消化管停滞が起きて胃ガスが増加しすぎることによるショックで
死亡する場合がありますから、気をつける必要があるのです。


 ウサギは夜行性動物なので、人間や他のペットたちとは活動時間帯が異なります。
ウサギの朝は午後3時くらい。夕方から夜中ずっと活動して、朝の7時くらいが眠くなる時間。
小学校で飼育委員さんが、放課後にウサギのお世話をしてあげることは、ウサギの生活パターンに
添っているといえましょう。
                                         

ウサギはもともと肉食獣に捕食される小動物なので、昼間活動する犬や猫と狭いエリアで同居すると
ゆっくり眠る事も出来ませんし、襲われて食べられやしないか心配でストレスをためてしまいます。
怖がっている事や弱っている事が捕食者にばれたら狙われて食べられてしまうから
無関心を装っているだけなのだと知っておいてあげて下さいね。
一見ストレスがあるように見えなくとも、表現が下手なだけで・・・・怖がることが当たり前。
昼はケージに目隠ししてあげるのもいい方法です。
                                         


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