ドッグドック・キャットドックのおすすめ 加齢に伴って起こる身体的変化とその看護を考える 老齢犬に見られる行動上の変化 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ドッグドック・キャットドックのおすすめ (高齢の犬と猫が快適な暮らしをおくるために) |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
年をとったペット(一般的に7歳以上をいいます)に対する予防ケアは、実際に病気になった時の 治療よりも大切な意味をもちます。 あなたのペットがあなたと一緒に少しでも長く健康に暮らすためにも動物がかかりやすい 病気の種類を是非知っておきましょう。 高齢の犬や猫がかかりやすい病気には、 歯周病・肥満・甲状腺機能亢進・腎臓病・糖尿病・心臓病・癌などがあります。 アニマルクリニックでは、ペットの健康のためによりよい医療を提供したいと考えています。 あなたのペットが今どんな医療を必要としているか、人間ドックと同様に半日程で検査を することが可能です。 ペットは人より加齢のスピードが早いので(☆下図参照)少なくとも年に2回の健康診断と、 年に一度の血液検査・尿検査および胸部レントゲン心電図検査をすることをおすすめします。 ドッグドック・キャットドックは病気の早期発見、早期治療開始、健康維持のために効果的です。 あなたのペットが寿命を全うするまでの生活が質的に向上するよう私達は協力したいと 考えています。 採血時だけ少し痛い他は、痛みを伴う検査はありません。 朝、新鮮尿を持参していただけた場合、半日(数時間)のお預かりで検査は終了します。 検査結果は当日夕方には出ますので、カウンセリングを受けた後、退院です。 ☆犬・猫と人間の年齢換算表
|
加齢に伴って起こる身体的変化とその看護を考える
|
はじめに | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
われわれ人間の世界でも高齢化社会になり、平均寿命以外に「健康寿命」という概念が生まれてきました。 健康寿命とは、心身に障害のない健康な状態での寿命で、生活の質(QOL)を考慮した新しい指標の事です。 ペットの世界でも、予防医学の発達や飼育管理の向上によって平均寿命が延び、それに伴ってペットの高齢化に おける問題も多く聞かれるようになってきました。 ペットにも当然QOLは大切です。高齢犬になるとどのような問題が起きてくるか、また老齢ペットのQOLについて 考えてみましょう。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
老齢犬に多い問題行動 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
症状 | |||||||||||||||||||||||||||
|
認知機能低下や痴呆症に対する治療法は残念ながらありません。 ある程度管理する方法として療法食(b/d)やサプリメントの (メイベットDC)などを与えることが挙げられます。(右図) 痴呆が見られ始めた早い時期にb/dを給与した場合、痴呆の初期の症状の改善が 期待できるという報告があります。 また、高齢犬への痴呆発症を遅らせたり、予防する効果も期待されます。 しかし、どのうような薬も健康食品も補充療法であり、進行を遅らせる作用しか ありません。 |
||
認知機能低下や痴呆症に対する確実な予防策はありませんが、適度な刺激も認知機能低下を 遅らせると言われています。 年老いたからと言って、一緒に遊ぶことや散歩を一切止めてしまうと、日中寝る時間も当然増え、 認知機能の低下を進行させる結果になってしまいます。 気分転換のために、ワンちゃんが散歩に行きたがるようなら、様子を見ながらできるだけ 短時間でも外に連れて行ってあげましょう。 また散歩はワンちゃんの状態に合わせた速度と距離でしてあげて下さい。 |
脳の加齢性変化に伴って現れる行動的変化 | ||
脳も年を取ります。脳の加齢性変化に伴って現れる行動的変化(図1)は気付かないうちに進行していきます。 行動の変化を初期段階で見つけることができれば、その時点から先に述べた健康食品を使用することで、 それらの行動の変化を減らせるかもしれません。またその進行も遅らせる可能性があります。 (あるデータではこれらの痴呆の症状は寒くなり始める時期に発症が増加する傾向が見られたとの報告があります。) 日頃からワンちゃんの行動をよく観察してあげて下さいね。 |
||
痴呆犬の介護の工夫 | ||
* | 飼育場所 (図2のB)のようにお風呂マットを3、4枚ガムテープなどでつなぎ合わせて 自作します。 その中にペットシーツを何枚か敷いてワンちゃんを入れます。 この自作サークル内なら、痴呆犬が目的なしに歩行を始めても、 障害物がないので外壁にそって歩き続け、最後は寝入ってしまいます。 サークルの中が排尿、排便で汚れると鳴きだします。 これは痴呆犬が自分の体が汚れていることを非常に気にする感覚が 残っているからです。 サークル内は清潔にしてあげて下さい。 床は床ずれができないようにフリース等を敷いて軟らかくします。 また、できれば屋外飼育をしていたワンちゃんも室内飼育にしてあげると 良いでしょう。その場合、室温を28℃くらいに保つようにします。 痴呆犬は体温の調節機能が低下しているので室温には注意します。 (☆老後に室内飼育をしようと考えているなら7、8歳頃から徐々に室内に慣れるように してあげるといいでしょう。) |
|
* | 食事の与え方 自分で食事をとれるワンちゃんも(図2の@)のように食器の位置を 工夫してあげると首に負担を掛けずに食事ができます。 また、寝たきりのワンちゃんは食器を口の側に持っていき、食べさせて あげるといいのですが、この時犬は反射で食器等を咬もうとする場合が ありますので、充分注意して下さい。 口腔内に疾患がある場合、食べる動作はしていても実際は食べられて いない事があるので、食事・飲水の残量を必ずチェックするようにします。 自力で食べられないワンちゃんは、注射器で流動食を食べさせましょう。 流動食は動物病院にある療法食(a/dや高栄養免疫サポート等)を 与えてもいいですし、市販のドックフード(缶詰)をミキサーにかけて 流動食を作ってあげてもよいでしょう。 食事は適度に温めてあげると食欲が増します。 |
その他の日常管理上の注意 | ||
* | 健康管理 痴呆犬は高齢のため、多臓器疾患を併発していることが多いので、健康診断をして併発している疾患がないか 調べておく必要があります。 |
|
* | 日光浴 晴れている日は、できる限り日光浴をさせます。日光には体内時計を調節する効果があります。 ☆ただし、夏は熱射病に注意すること! |
|
* | スキンシップ 痴呆犬の多くは視力や聴力が低下していたり全く無くなっていたりするので、管理者をスキンシップで確認させるように するといいでしょう。 常に触る部位の順番を一定にしておき、必ず同一手順で触るようにします。 この時、突然触ったり抱いたりすると反射的に咬み付こうとすることがあるので注意して下さい。 できれば同一人が行ってあげると良いようです。 |
|
* | 散歩 心臓の機能が安定していて歩行が可能ならば、外界の刺激および歩行機能維持のため、できる限り散歩をさせて あげましょう。飼い主さんとワンちゃんとの密着度もアップします。 散歩はワンちゃんの状態に合わせて行ってあげて下さい。 |
|
長い年月愛くるしいしぐさや表情で家族の心を和ませてくれた愛犬もいつの間にか年をとります。 大切な家族の一員が年老いた時も、これまでと変わらずに愛し大切にし、豊かな老後を送らせてあげられるように、 自宅で上手にケアのできる飼い主さんになっていただくためのお手伝いをしたいと私達は考えています。 ゆっくり老いはやって来ます。長生きしたからこそ出てくる色々な衰えを理解し、犬の気持ちを先回りして察してやり、 優しい気配りと思いやりの心を持って、お世話をしてあげて下さい。 いつでも犬は飼い主さんを信頼し、愛し続けいている生き物なのだということを忘れないで下さいね。 |
||
水海道アニマルクリニックスタッフ一同 |
*(株)インターズー【as】 ヒルズAHTセミナー2003 『老犬からのメッセージ-痴呆犬の管理』 |
|
参照 |